電源タップにスイッチが必要かどうか、一度は考えたことがあるかもしれませんね。
その答えは、接続する機器の使用頻度や待機時の消費電力にあります。
これらの点を考慮してスイッチの有無を決めるのが最善です。
例えば、こまめに電力消費を抑えたい場合はスイッチ付きの電源タップがおすすめです。
しかし、「待機電力が気にならない」や「電源を常に入れた状態にしておく必要がある」という人にはスイッチ無しの方が向いています。
これらを踏まえて、スイッチ付き電源タップの利点、ランプの消費電力、待機電力による電気代、延長コードを常時接続した場合のコストなど、さまざまな疑問について詳しく解説しますね。
電源タップのスイッチ有無とランプの消費電力詳細
電源タップにスイッチが必要かどうかについては、意見が分かれます。
一部の人はスイッチがあった方が良いと考える一方で、不要だと感じる人もいます。
特に、電源タップにランプが付いている場合、「これって電気を消費しているのでは?」と疑問に思うことがありますね。
ここではその点について詳しく見ていきましょう。
ランプ付き電源タップの消費電力を検証
何も接続されていない状態でランプのついた電源タップを96時間(4日間)テストした結果、消費電力は合計で0.01kwでした。これを1日あたりで計算すると、0.0025kwになります。
この消費電力を電気代に換算してみると、1kwあたり27円の計算で、0.0025kw × 27円 = 0.0675円となり、1日の電気代は約0.0675円、ほぼ1円未満です。
しかし、1年間この状態が続けば、0.0675円 × 365日 = 約24.6375円となり、ランプのみで年間約24円~25円の電気代がかかることになります。
この金額は小さく見えますが、ランプが点灯しているだけで発生する電気代としては無視できないため、意識しておくことが大切です。
家庭の電化製品と待機電力のコストについて
先述したように、電源タップのランプが点いている時は少量の電力が消費されています。
では、家庭で使用される電化製品が接続されている状態での電力消費は、どのように変化するのでしょうか?
電化製品がOFFの状態であっても、その機能を維持するために必要な「待機電力」が常に消費されています。
これは電化製品が即座に使用可能な状態を保つための電力です。
例えば、電源プラグが差し込まれているだけで表示がされる製品は待機電力を消費しています。
家庭内のほとんどの電化製品が常にコンセントに接続されている現状を考えると、待機電力の影響は決して小さくはありませんね。
待機電力が高い電化製品の例
1時間あたりの待機電力が特に高い家電製品をいくつか挙げてみましょう。
- 外付けモデム(7.34Wくらい)
- ガス温水器(7.05Wくらい)
- パソコン用ネットワーク機器(5.92Wくらい)
これらは一般家庭でよく見かける製品です。
一方、待機電力が比較的少ない家電もあります。
- ファックス機及びファックス付き電話機(3.43Wくらい)
- 充電式の掃除機(2.82Wくらい)
- エアコン(2.4Wくらい)
- 充電式の電気シェーバー(2.34Wくらい)
- 温水洗浄便座(2.21Wくらい)
特に温水洗浄便座は、冬に待機電力の消費が増えるため、快適さを保つためにはやむを得ないでしょうか・・・?
待機電力による電気代の実際
待機電力が実際にどれだけの電気代を生じさせるのか、モデムを例にして具体的に計算してみましょう。
モデムはインターネット接続に必須の機器で、特に在宅勤務をする人にとっては欠かせません。しかし、外出が多い人の場合、使用していない間もモデムの電源は入りっぱなしで、その間にも電気代がかかっています。
モデムの待機電力は1時間あたり約7.34ワットとされています。これを24時間で計算すると、
7.34ワット × 24時間 = 176.16ワット
これをキロワット時(kWh)で表すと、0.17616 kWhになります。
日本での平均電気料金を1 kWhあたり27円として計算すると:
0.17616 kWh × 27円 = 約4.76円
この計算によると、1日あたりの電気代は約4.7円、1ヶ月では約141円、1年間で約1,716円になります。
節電方法として、使用しない時間はモデムのプラグを抜くか、電源タップのスイッチを切ることが推奨されます。
たとえば、モデムを1日に8時間だけ使用し、残りの時間は電源を切っておくと、1日の消費電力は次のようになります、
1日の電気代4.7円の3分の1 = 1.585円
これを1年間続けると、
1.175円 × 365日 = 約578円
となり、元々の年間電気代約1,716円が約578円まで削減され、大幅な節約が可能になります。
このように、待機電力を適切に管理することで、特に消費電力が大きい家電の電気代を効果的に削減できます。
エアコンの節電方法と注意点
夏場にはエアコンの使用が増えますが、エアコンの待機電力は約2.4ワットです。これを日々の積算で計算すると、
2.4ワット × 24時間 = 57.6ワット
そして一ヶ月で、
57.6ワット × 30日 = 1,728ワット
これをキロワット時(kWh)で表すと1.728 kWhとなります。この電力消費による電気代は、
1.728 kWh × 27円 = 約46.6円
となります。
一見すると月46円は少ないように思えますが、エアコンを使用しない10月から翌年5月までの8ヶ月間で累積すると約373円になります。
節電のためには、使用しない期間にコンセントを抜くのが有効ですが、エアコンの場合は特に気をつけたい点があります。
というのも、コンセントを差し込んだ直後に運転を始めると、冷媒が安定せず、室外機に過負荷がかかり故障の原因になることがあるんですね。
そのため、長期間使用していなかったエアコンを再使用する際は、コンセントを差し込んだ後4~8時間程度待機させると良いです。
この準備時間はエアコンの取扱説明書にも記載されています。
夏場はエアコンを頻繁に使用するため、コンセントは常に差し込んだ状態にし、電源タップのスイッチも入れたままにすることが推奨されますね。
一方、冬場には明らかに使用しない時期にはコンセントを抜くことで節電につながります。
待機電力が不要な家電
リモコン機能がない扇風機やヘアドライヤーは、待機電力を必要としません。
コーヒーメーカーや衣類乾燥機、携帯電話の充電器も同様です。
これらの家電製品に対しては、電源タップのスイッチをオン・オフする必要がないため、コンセントをそのままにしておいても問題ありません。
延長コードの常時接続と電気代への影響
延長コードを常に接続しておくことで、電気代にどのような影響があるのでしょうか?
先にも触れたように、スイッチやランプが付いた電源タップは少ないながらも電気を消費します。しかし、スイッチやランプのない電源タップでは実質的に電気代は発生しません。
ただし、接続された電化製品が待機電力を必要とするタイプであれば、電気代が発生するのは避けられません。
延長コード使用時の注意点について
延長コード自体が電気代を多くは消費しないものの、注意が必要な点もあります。
特に、延長コードやコンセント周りにはホコリが溜まりやすいです。
他には、複数のコードが絡まることで熱がこもりやすくなることもあります。
また、延長コードに限りませんが、誤って水がかからないよう気をつける必要もありますね。
誤って水をこぼすと、ブレーカーが落ちる事態になったりします。
それだけで済めばいいのですが、水をこぼさないよう注意することと、ホコリを溜めないよう日頃から綺麗にしておきましょう。
節電に関する話題から外れるかもしれませんが、延長コードを使用する際にはこれらの対策を忘れずに行うことが大切です。
総括:延長コードの常時接続と電気代の影響
延長コードを常時接続しても、必ずしも電気代が増えるわけではありません。
電源タップにスイッチやランプが付いている場合でも、それによる電気代の増加は大きくありません。
ただし、待機電力を消費する家電を接続している場合は、少なからず電力が消費されています。
特に待機電力が高い機器では、電源タップのスイッチをこまめに切ることで節電が可能です。
電化製品の使用頻度や待機電力の大きさに応じて、電源タップのスイッチの有無を選択することが賢明です。
日々の少量の電力消費も積み重なると大きな差となりますので、適切な管理が重要ですね。
今回の解説はこれで終わりです!